忍者キャプター18話「忍法!カブトムシ七変化!」より。
- 少年
- 内容
「火忍キャプター7!」
忍者キャプターごっこに興じる少年。
「ずるいぞ!」
「たまには風魔になれ!」
「いやだい!火忍キャプター7だい!」
滑り台を降り、追いかけっこに発展。
その目の前に……
謎の青年が現れます。
「風魔は嫌いか?」
「ぼく、正義の味方がいいんだ!」
元気よく答える少年。
すると青年は、茶色い箱を取り出しました。
その中には、金色のツノをしたカブトムシが。
カブトムシをもらい、大喜びの少年たち。
「ありがとう!!」
「うちに持って帰ろうぜ!」
口々に叫びながら駆け出します。
それを見て……
ニヤリ。
青年の正体は、風魔のオニビでした。
少年たちが渡されたのは、風魔のあやつりカブトムシ。
金色のツノに刺されたものは、風魔の意のままに操られるのです。
そんなこととは知らない少年。
「すごく儲かっちゃったな!」
ホクホク顔で、カブトムシを虫かごに放り込みます。
宿題に取り掛かりますが……
その横で、あやつりカブトムシが脱走!
少年の首に近づくと……
プスリ!!
「あっ!」
「今からお前の主人は、カブトムシ様だ…。」
「何でも命令を聞くのだ!」
「はい……カブトムシさま……」
「どんな命令でも従います……」
風魔のしもべになっちゃいました。
妹にも、あやつりカブトムシを手渡し……
あやつりカブトムシの運搬を手伝わされます。
- 総評
ギャップが素晴らしい名作です。
想像力豊かな子どもたちにとって「ごっこ遊び」の場は、単なる虚構以上の意義を有しています。
「ごっこ」であればこそ、彼らは何にでもなれる。
憧れの対象になりきって、萌芽的な自己実現を果たす瞬間、彼らは本当に仮面ライダーであり、ウルトラマンであり、忍者キャプターなのでしょう。
「ぼく、正義の味方がいいんだ!」
この少年にとっての憧れの対象は、火忍キャプター7。
少し疎んじられるほどの熱狂的な憧れは、純粋な輝きを放っています。
その少年のもとに、あやつりカブトムシを送り込む。
ツノに刺され、一瞬声を上げる少年。
しかし、すぐに表情を失う。
「はい、カブトムシさま………どんな命令でも従います………」
ヒーローに憧れていた少年の姿は、そこにはありません。
風魔の手先となり、憧れのキャプターと敵対するのです…。