年末年始のお休み期間も、そろそろ終わりそうにあります。
ああ、いつまでもお正月とゴールデンウィークとお盆休みだったらいいのに……。
近づいてくる日常の足音に身をすくめつつ、年始の終わりがけ(ややこしい)にいくつかの記事を投稿し、年末年始の一連の更新に区切りをつけることにいたします。
まずご紹介するのは、バトルホーク 第21話「驀進(ばくしん)!少年軍団」 。
- 少年たち
哲也くん
その他野球少年たち
和夫くん
- 内容
公園で準備体操をする子どもたち。
バトルホークこと楯彰吾がやってくると、彼の元に集まります。
笑顔がかわいいこちらの少年は、哲也くん。
彰吾に野球教室をやってほしいようです。
彰吾はこれを快諾。
そこそこ熱血な指導を開始します。
しかし、捕球に失敗。
ボールは、転校生の和夫くんの足元へ。
こちらに投げるように哲也くんが頼みますが、和夫くんは無反応。
そしてなんと、ボールを明後日の方向に蹴り飛ばしてしまいます。
当然ながら、言い争いに発展。
憤る野球少年たち。
無表情を貫く和夫くん。
「こいつ生意気なんだよ!転校してきたばかりだっていうのに!」
おや?
「転校してきたばかりのくせに生意気だ」、というのが憤っている理由なら、この野球少年たちも話が通じなさそう。
さっきだって、和夫くんに過剰にキレてたし。
日常の中で野球少年たちから色々言われて、和夫くんも頭に来ていたのかもしれません。
睨みつける和夫くん。
しかし、ついに逃げ出してしまいます。
「「「「「やーい!やーい!弱虫!」」」」」
やーい、やーい、クソガキィ!
失意の和夫くんは、川辺に佇んでいました。
そこに、怪しげなおじさんが登場。
「前田和夫くんだね?」
そう言うとおじさんは、和夫くんが通う小学校とクラス、1週間前に九州から引っ越してきたこと、友達がいなくて寂しいこと、哲也くんたちからいじめられて悔しい思いをしたことなどを言い当てます。
「すごいんだなあ、おじさんは……。まるで魔法使いみたいだ!」
「そう……。おじさんは魔法使いだ。」
「魔法使いの、スノブって名前なんだ。」
「魔法使いのスノブ……?」
「ハハハ!おじさんは冗談もうまいんだね!」
よもや本当だとは思わない和夫くん。
おじさんが続けます。
「おじさん、君の友達になってあげる。」
「君の大きな味方になってあげる。」
「君の望み通りのことをやってあげる。」
いつの間にか、和夫くんの笑い声が止んでいます。
「今、なにがやってみたい?」
「ゴータラヤーサンダラマー……ゴータラヤーサンダラマー……ゴータラヤーサンダラマー……」
表情を失ってゆく和夫くん。
呪文を唱えるおじさんの顔には、青い隈が現れていました。
「ゴータラヤーサンダラマー……ゴータラヤーサンダラマー……ゴータラヤーサンダラマー……」
おじさんの正体は、テロリスト集団「兇鬼の掟」のテロル闘人、スノブでした。
催眠術にかかった和夫くんは、スノブの手中に堕ちてしまったのです。
野球教室を終えた少年たちを…
虚ろな表情の和夫くんが待ち伏せ。
1人が飛び掛かりますが、いとも簡単に跳ね返されます。
5人で飛びかかるも、すぐに振り解かれた野球少年たち。
一斉に殴りかかりますが……
突然体が動かなくなります。
その隙をついて、和夫くんが攻撃!
その後ろには……
スノブの姿がありました。
怒り心頭の様子の野球少年たち。
「今度見つけたら、コテンパンにしてやる!!」と息巻いています。
まあ、1対5で挑んでたあたり、お前らもそこそこ卑怯だけどな。
攻撃しようとすると身体が動かなくなった、という少年たちの証言から、楯三兄妹は調査を開始。
「兇鬼の掟」の仕業ではないかと睨みます。
他方の哲也くん。
まだまだ怒りが収まらない様子です。
そこに……
「こら、哲也!」
スノブが登場。
「ゴータラヤー……」
早速催眠術にかけられてしまいます。
「哲也……」
「お前は和夫が憎い……」
「俺は、和夫が憎い……」
「あいつを憎め……」
「あいつを憎む……」
「あいつを呪え!!」
「あいつを呪う……」
スノブに洗脳された哲也くん。
「和夫を殺せ!」
「和夫を殺す……」
和夫くんに対する果し状を書かされます。
少年たちを使って、楯彰吾を誘い出そうとするスノブ。
哲也くんや和夫くんは、その手駒にされているのです。
さて、他の野球少年たちは、怒りが収まった様子。
談笑しながら帰路についていました。
しかし、その目の前にスノブ。
「「「「うわぁぁぁ!!」」」」
逃げ惑う少年たち。
しかし、動きを止められてしまいます。
その時、彼らの耳元に太鼓の音が……
苦しむ少年たち。
彼らもまた、スノブの意のままに操られるのです。
「兇鬼の掟」のアジトには、和夫くんの姿が。
スノブによって、洗脳を強化されていました。
「汝らの内なる心に身を潜めし邪悪の心よ、今起きよ……」
「憎しみの心もて全てのことにあたり……」
「汝らが吐く息にて、この世を曇らせよ……」
「汝が赤き血よ、憎悪の黒き血に変われ……」
「憎悪の光ぞ今燃える……」
「憎悪の光ぞ今燃える……」
「哲也を殺せ……」
「哲也を殺す!!!」
邪悪の心を植え付けられた和夫くん。
完全にスノブの手に堕ちてしまいました。
一方、何者かに襲撃される楯三兄妹。
シャンデリアが落ちるなどの常軌を逸した現象から、「兇鬼の掟」の仕業だと断定します。
ただ、時すでに遅し。
「和夫を殺す………和夫を殺す………和夫を殺す………」
「和夫が憎い………和夫が憎い………和夫が憎い………」
「和夫死ね………和夫死ね………和夫死ね………」
野球少年たちも、邪悪の心を植え付けられていました。
「ゴータラヤーサンダラマーゴータラヤーサンダラマーゴータラヤーサンダラマー……」
和夫くんの洗脳は、さらに進められています。
さて、当日。
決闘の場に向かう野球少年たちの瞳は、憎悪に支配されています。
和夫くんの姿を、崖の上に発見。
その手に握られていたのは、兇鬼兵の武器でした。
憎しみを繰り返し植え付けられた和夫くんは、身も心も兇鬼兵となっていたのです。
「かかれぇぇぇ!!」
哲也くんの声で、戦闘開始。
お互いに武器を握り合っての戦いは、もはや喧嘩ではなく殺し合い。
楯彰吾が駆けつけて止めようとしますが、その声は届きません。
しかし、このままでは子どもたちが死んでしまう。
バトルホークに変身しようとしますが……
「そうはさせん!」
「ゴータラヤーサンダラマーゴータラヤーサンダラマーゴータラヤーサンダラマー……」
スノブの呪文を受けて……
少年たちの動きが静止。
右腕を前に突き出すと……
「かかれぇぇぇ!!」
哲也くんの号令で、一斉に彰吾に飛び掛かります。
彰吾にしがみつき、変身を阻止する少年たち。
ちょっぴりやんちゃな野球少年も。
気弱でひねくれ者の転校生も。
みんなすっかり、スノブの従順なしもべです。
- 総評
ふ、不審者……?
スノブさん、怪しすぎます。見るからに「インチキおもしろおじさん」ですもん。
和夫くんの個人情報の解像度とか、もはやただのストーカーです。
ただ、洗脳シーンはいい!
じっくり堕ちから即堕ち、音に乗せての洗脳から、アジトでの洗脳、命令の復唱まで。
色とりどりのセットが楽しめる作品です。
野球少年たちが「和夫が憎い……」と繰り返しながら凶器を作る場面などは、インパクト大。
今日では放送しにくそうですが、これもまた、懐かしの特撮が持つ味ですね。