RX繋がりで、こちらの作品。
仮面ライダーBLACK RX 第36話「ヒーローは誰だ⁈」より。
- 少年たち
健吾くん、茂くん
三郎くん
明夫くん、大輔くん
- 内容
落ち込んだ様子のサッカー少年、明夫くん。
茂くん、三郎くん、健吾くんの3人に、日本代表・玉本選手のバナナシュートを教える約束をしていたようですが、乗り気じゃ無いようです。
訳を聞いてみると…
「負けたんだ、玉本…。PK合戦で、あの覆面の男に…。」
明夫くんを慰めようとしてか、茂くんがサッカーボールに向かいますが、明夫くんが明後日の方向に蹴り上げます。
「もう玉本はナンバーワンじゃない!ヒーローなんかじゃないんだ!!」
そう言って、走り去ってしまいます。
盛大に尻餅をついた茂くんを、3人の少年たちが笑っています。
彼らは、プロボクシングの世界チャンピオン・沢田勝のファン。
真ん中の赤い服の少年は、大輔くんです。
「それがどうしたんだよ。俺のナンバーワンヒーローは、仮面ライダーBLACK RX だぞ!」
「仮面ライダーだって?あんなもんいるわけねえじゃねえか!」
「本当は全部警察がやってるんだって。うちの父ちゃん言ってたぜ!」
「想像の産物だって、うちのパパも言ってたよ!」
「RXは本当にいるんだぞ!本当にクライシスの陰謀と戦って……なあ、三郎、健吾!」
後ろの二人を振り返りますが…
「う、うん……」
「そうだと思うけど……」
命の危険を何度も助けてもらったくせに、この返事。
茂くんが憤っていると…
「じゃあ今度も助けに来てくれるよなぁ!!」
大輔くんが、茂くんに暴行!
さすがにヤバいと思った沢田ファンの二人が止めに入り、なんとか終了。
「これで分かったろ!RXなんかいないんだ!ナンバーワンヒーローは沢田だ!」
そう言い残すと、茂くんを踏みつけつつ、3人は去っていきます。
胸糞シーンですが、ご安心を。
この後、みんなまとめてクライシス帝国の手先になります。
さて世間では、「グレートマスク」と名乗る覆面の男が、一流のスポーツ選手たちを破っていました。
「アイム、ナンバーワン!」
サッカーの玉本選手も例に漏れず、PK合戦で敗北を喫しています。
光太郎たちが見ていたのは、グレートマスクがテニス選手を破る様子の中継。
そこにやってきたのは…
「「「グレートマスク、ナンバーワン!グレートマスク、ナンバーワン!」」」
グレートマスク親衛隊の少年たち。
無表情でグレートマスクを見つめます。
その中には、明夫くんの姿も…。
グレートマスクの正体は、怪魔戦士バルンボルン。
その強さに魅せられた少年たちは、催眠術で意のままに操られ、クライシスユーゲントとして育成されるのです。
さて、次にグレートマスクが挑むのは、プロボクサーの沢田。
しかし、茂くんたち3人が着いた頃には、すでに沢田は傷だらけ。
沢田ファンの3人も、必死に声援を送ります。
これに対して明夫くんは、すっかりグレートマスク側。
心酔した様子で、グレートマスクを応援します。
3人の必死の呼びかけも虚しく……
沢田はダウン。
ショックを受ける大輔くんたちの耳元に…
「「「グレートマスク、ナンバーワン!グレートマスク、ナンバーワン!」」」
グレートマスク親衛隊の掛け声が響きます。
グレートマスクに連れられて、リングを後にする親衛隊。
これを見ていた大輔くんも……
「グレートマスク、ナンバーワン!グレートマスク、ナンバーワン!」
他の沢田ファンも、次々と…
「「「グレートマスク、ナンバーワン!グレートマスク、ナンバーワン!」」」
心酔した様子で、グレートマスクについていきます。
あまりの豹変ぶりを訝しむ3人。
調査に乗り出すことにしました。
親衛隊は、怪しげな洋館に入っていきます。
最後尾には、大輔くんたちの姿も。
茂くんたちも塀をよじ登り、どうにか侵入に成功します。
そこに聞こえてきたのは……
「「「グレートマスク、ナンバーワン!グレートマスク、ナンバーワン!」」」
部屋の中には、グレートマスクに忠誠を誓う少年たち。
その時、グレートマスクの額が光り……
正体が露見します。
「ば、化け物だ!!」
腰を抜かした3人を、グレートマスクと親衛隊が取り囲みます。
「連れてこい!」
グレートマスクの一声で、親衛隊が3人を連行。
抵抗虚しく床に叩きつけられた3人に、グレートマスクが近づきます。
「これは光栄だ!新しい仲間が来てくれた!」
しかし、3人も負けていません。
「ふざけるな!」
「お前はクライシスだろ!俺がお前の親衛隊なんかに入るもんか!」
威勢よく吠える茂くん。
「明夫、大輔!目を覚ませ!」
三郎くんがお友達に呼びかけますが……
無表情で見つめるだけ。
「こんなやつ、ヒーローなんかじゃない!一つ目の化け物なんだぞ!」
健吾くんも、みんなの目を覚まそうと試みます。
しかし、親衛隊には響きません。
「さあ、君たちも仲間に入るんだ!」
親衛隊が、3人を捕縛。
「RX助けてくれ!仮面ライダー!!」
虚しく響く、茂くんの叫び声。
しかし……。
「「「グレートマスク、ナンバーワン!グレートマスク、ナンバーワン!」」」
沢田との再戦にやってきた、グレートマスクと親衛隊。
その先頭を切っていたのは…...
「「「グレートマスク、ナンバーワン!グレートマスク、ナンバーワン!」」」
すっかり洗脳された茂くん、三郎くん、健吾くんでした。
「「グレートマスク、ナンバーワン…...グレートマスク、ナンバーワン...…」」
サッカー大好きな明夫くんも、ボクシングファンの大輔くんも、RXを尊敬する茂くんも。
みんなクライシス帝国の手駒となったのです。
- 総評
「ヒーロー」を通じた洗脳というのは、なかなか異色。
しかし、異色でありつつもツボを抑えているのが、「RX」洗脳回の特色です。
少年の日のヒーローは、「ライダー」や「戦隊」、「ウルトラマン」などの特撮に限られません。
ある少年にとっては野球選手であり、ある少年にとってはサッカー選手であり、またある少年にとってはボクサーであり。
ヒーローに対する、純粋な憧れ。その中で形成される、多様な人格。
これを、一気に悪に染め上げる。
性癖にかなりの勢いで刺さった、名作です。